地獄宛

 

私から元上司へ

届かないお手紙を書こうと思います

もし私の元上司の目に留まれば幸いです

 

どうか長生きしてください

一分一秒でも長く生き抜いてください

例えそれがどんなに辛くても

悲しくてもしんどくても

明日が来なければいいと絶望した日であっても

世を憎み人を憎み

愛とか希望とか安らぎとか

そんな幸せと思える感情から一番遠い場所で

心の中は地獄の業火に焼かれて

何をやっても上手くいかない

そんな中でもどうか長生きして、

眠れない夜を耐え抜いて、明日が来なければいいと願ったまま

布団の中で夜明けを待ち、昇った朝日を憎悪しても尚

また新しい一日を迎えて苦しみ抜きながら生きてください

 

そんな日々が続いたら、

趣味だと言っていた読書が出来なくなるでしょうね

文字が読めない状態になることでしょう

鬱の初期症状なんですよ

 

文字が読めなくなり

本の情報量の多さに戸惑ったことはありますか?

漫画ですら読む順番もわからなくなり、台詞も読めない

文字が全て記号のように見えて

当然意味など頭に入らない

絵だってキャラクターの表情が分からず

全部が点と線の繋がりにしか見えない

そんな状態になってみませんか?

 

あなたがそんな状態になれば

夢だと言っていた書籍出版の件も厳しくなるでしょう

また一つ思い通りにならない事が増えましたね

それでも

そんな中でも

あなたは末永く生きて下さいね

もうダメだと思った時があれば私が声をかけに行きましょう

明日は必ず来ますよ、頑張って!

何回でも励ましますからね

万が一死のうとしたなら全力で止めてみせます

簡単に自殺しようだなんて思わないで下さいね

 

私はあなたから言われた言葉が忘れられません

 

毎日ブスだ豚だと罵倒され続けた事は忘れられません

コンプレックスだった足の短さなんかは

わざわざ定規を持ち出して足の長さを測ってみたり

何度も叩いてみたりわざと大声を出して私を驚かせたりして

大変不愉快でした

どんな生き方をしたら、そんな行動が取れるのでしょうか

甚だ疑問です

 

今からあなたの居るお店へ行って暴れたいくらいなんですよ

まだ終わった話じゃないんです

そこをゆめゆめお忘れなきよう

覚えていて下さいね

 

そしてあなたはずっとあの土地で

人を罵倒し、見下して生きていくんでしょう

是非そのままで居てくださいね

死ぬ時はあなたの予測していた通りになるんでしょうから

そのまま生き抜いて下さいね

 

まだあなたに伝えたいことはありますが

今日はここまで

二度とあなたと関わらないことを切に願っております